企業ドライバーの起こす事故の場所は、駐車場が多いです。それに関して、先日少し悲しいことがありました。
ある企業の大阪の営業所長から「安全運転講習をして欲しい」とお電話を頂戴しました。「うちに配属されてきた新入社員の一人への運転講習をしてほしい」という内容でした。
講習の内容についてご相談をした結果、1日４時間の実技講習を２日間で実施することになりました。
実は、この新入社員の方は大阪営業所に配属される前から、弊社提携の自動車教習所で安全講習を受講してもらっていました。
内容は、実技講習はもちろんですが、安全講義も受講いただいていました。
悲しいのはここからです。
今回はわたしがマンツーマンで担当し、特に、駐車場での反復訓練を重点に行いました。そのように進めたのは、営業所長からの依頼に加え、冒頭に書きましたように駐車場での事故が多いからです。
講習の中、入庫や出庫を繰り返しやってもらいながら、わたしは「駐車場での事故が多いので気をつけましょうね」と言いました。すると、その方は「そうなんですか」と尋ねられました。
これには、愕然としました。何故なら、本社での講習（実技・座学）のときから、このことは何度もテーマとして言ってきたことでしたので。
“これはいかんなあ”と少しへこみましたが、気を取り直して、上手く入庫ができるようにと、タイヤ位置についての説明をゆっくりと行いました。
（野村幸一）