第2話―ブレーキは車を止めるものではない

ある事業所で、雨の日に前車に追突する事故が起きました。

管理者

「君は、ブレーキを踏めば簡単に車を止めることができると思っていないか・・・」

「ブレーキを踏んで確実に止まるのはタイヤの回転だけだよ。タイヤの回転が止まっても、必ずしも車が止まるとは限らないのだよ」

「ブレーキを踏むと、たいていの場合は車は止まるが、路面状態によっては車が止まらないことがあるということだよ」

「そう。雪道や雨の日などのスリップしやすい路面では、ブレーキを踏んでもタイヤの回転は止まるが、車はスリップして止まってくれない。だから事故を起こしたんだ」

「これからは、ブレーキは車を止めるのではなくタイヤの回転だけを止めるものと考えて、路面状況に応じて安全なスピードで走行してくれよ」

運転手

「すいません・・・。追突事故を起こしてしまいました・・・。前車が交差点で停車したので、自分もブレーキを踏んで止まろうとしたのですが、スリップしてしまって止まり切れませんでした」

「そうですけど。ほとんどの人はそう思っていると思いますよ。じゃあ、何で車を止めるのですか?」

 

「エッ、どういうことですか?」

「そうか、私が事故を起こした雨の日などですね」

「確かに、雨の日で滑りやすいのに、普段と同じようなスピードで走行していました」

 

「はい。わかりました!」


■今月の教訓

 滑りやすい路面では、ブレーキを踏んでも車は止まらないことがあります。
 ブレーキはタイヤの回転だけを止めるものと考えると、路面の状況に応じた安全なスピードを選択することができますよ。