野村です。
今日から30日まで秋の全国交通安全運動ですね。この機会に、安全運転についてもう一度自分の運転を見つめなおしたいものです。
さて昨日、事故再発防止研修を実施しました。受講者は、交差点を曲がる際に歩行者と接触する事故を起こした、20代男性の方です。
まず、一般道路を走行してもらい、運転診断(弊社ではドライビングチェックといいます)を行いました。彼の運転は、事故を起こしたためか丁寧です。大きな危険性は見当たりませんでした。
ところがです。生活道路を走行中、速度を落とさずに歩行者を後ろから追い越そうとしたのです。危険を避けるため、私は補助ブレーキを踏み、「スピードを落としましょう」と口頭で指示を出しました(彼は、その失敗でちょっと元気がなくなりました)。
運転診断での走行を終え、教習所内コースに戻ってきました。そのとき、元気のなかった彼が急に口を開きました。「前の教習車の左のブレーキランプが切れている」と。
「すごいですね。気づかなかった」と私が言うと、「僕、前職が整備士なんです。ランプ類の球切れが気になるんです」と答えました。
その後、私は彼に対して、「歩行者の存在やその動きを“気にしていない”。だから、注意深く見ることもないし、慎重な対応をしていない。ランプ切れにすぐ気がつくように、“気にする”と、自然に対象物を注意深く見るようになる」そんなことを説明しました。
「気をつける」ためには、まず「気にする」ことです。事故を起こさないため、「気にすること」から始めましょう。歩行者を「気にする」ようにしましょう、とアドバイスしました。
気にしなければ、何も変わらない。でも、「気にすれば」きっと変わること(変えること)ができるはず、と思っています。
(野村幸一)