ある事業所で、見通しの悪い交差点から飛び出してきた子どもの自転車と衝突する事故が起きました。
管理者
「事故報告書によると、そのとき君は時速50キロのスピードで走っていたよな。あそこの道路の制限速度は40キロだろ」
「君のように、スピードを超過して走行しても“流れに沿った運転をしている”“これぐらいは安全運転の範囲”と言う者は多いんだが、スピードを出せばそれだけ責任が伴うということがわかっていないんじゃないか!」
「たとえ10キロでもスピードを上げると、停止距離が伸びて路地から飛び出す子どもなどを避け切れないことがある。こうした事故を起こすかもしれないという意識を持って、スピードを出しているのか、ということだよ」
「もう一つ、スピード超過があれば、事故を起こしたときの過失割合も大きくなる。つまり、スピードに比例して責任も大きくなるということだよ」
「これからは、スピードを出せば事故を起こす確率が高くなるし、事故を起こせば過失割合も大きくなる、ということを肝に銘じて安全なスピードで走行してくれよ」
運転手
「すいません・・・。子どもの自転車と衝突してしまいました。見通しが悪い交差点でしたし、子どもが急に飛び出してきたものですから。アッと思ってブレーキを踏んだのですが、ぶつかってしまいました」
「そうですよ。ほとんどの人はその位のスピードで走っていますよ。いけないんですか?」
「エッ、どういうことですか?」
「うーん、そこまでは考えていないですね」
「過失割合のことも、考えていなかったです・・・」
「はい。わかりました!」
■今月の教訓
時間に追われてくると「早く着きたい」と思い、ついスピードを出したくなりがちです。
しかし、スピードを出すことによって、「事故のリスクが高くなる」、「過失割合が大きくなる」ことを考えると、うかつにはスピードは出せませんよね。