野村です。
先日のブログ「道路標識の設置2」の続きです。
近所の派出所で説明をしてくれたあと「ところで道路標識の設置依頼をされている場所はどこですか」と尋ねられました。
場所を言うと、標識の設置を誰が依頼しているかがなんとなく分かってしまうので、わたしは始め、口ごもっていました。しかし、そこは警察官。話しているうちに、設置場所を聞き出されてしまいました。
警察官は言いました。「あの道路はそんなに車は通らないでしょう。それに、あの辺りは家の前に車をよく停めている。その方が問題ですよ」と。
所有権がある土地は、(法律上正当視される場合に)どのような行為も許されます。これに対して、公共の土地(場)は使用権があります。
つまり道路は公共の場であるので、たとえ自分の家の前であっても占有することはできません。駐車場代わりに使用することはできないということです。
また、道路は誰もが自由に通行することができます。勝手にそれを制限することはできません。
個人と公共、所有権と使用権、権利と義務、自由と責任など、道路標識の設置の件で少し整理がつきました。
道路という公共の場に、車という危険物を持ち込むわけですから、他者の安全を確保しなければなりません。自由に使うのですから、責任を伴うのは当然なことです。
普段あまり法的なことは考えないものですが、ときには、根拠や背景を含め、基本に立ち返ることが大切だと思いました。
(野村幸一)