バック時の確認方法

 こんにちは、高林です。

 最近は、企業様からの運転研修の実施依頼を多く頂戴し、研修を担当させていただく機会が多くあります。今回も、その研修のときのお話です。

 今回のドライバーさんは、事故は起こされていませんが、事故予防の一環として、ウィークポイントを抽出して、改善するという目的で研修を受講していただきました。一般社員向けの研修でした。

 ドライバーさんの年齢は、約50歳で、真面目そうな方でした。運転を診させていただいても、アクセルやブレーキの操作は丁寧で、交差点などでも繰り返し周囲の確認をされていました。同乗していても、安心のできる運転でした。危険な状況になり、補助ブレーキや補助ハンドル、回避の指示をすることもなく、スムーズに走行していただきました。

 最後になり、駐車をバックで、2,3回行っていただきました。駐車場所への寄せ方、入庫前の角度のつけ方も、状況に応じて操作されていました。周囲確認してからバックを開始するなど、そのあたりまでは、一般道路の走行と同様に丁寧でした。

 ところが、バックを開始し、後方にあるタイヤ止めに、あと1mといったところで、ドアを開け、身を乗り出して確認をされていました。すべての車庫入れで同様の確認を行っていました。

 ドアを開けてからは、かなり身を乗り出していました。しかも右側に柱があるところでもドアを開けていました。これは非常に危険です。ドアを開けすぎて、柱やブロックなどに接触することもあります。また、左側が完全に死角になり、見落とすことになります。場合によっては、バランスを崩し車から落ちてしまう危険があります。

 この方には、いろいろとアドバイスしたり、死角の範囲などを検証したりすることで、ドアを開けてバックすることの危険性を理解していただきました。ところで、ドライバーの皆さんは、普段どのような確認をされていますか?我流の確認方法の癖がつき、危険になっているかも知れません。

 運転経験によってドライバーの癖の傾向があると感じます。今回のようなベテランドライバーのバック時の確認は、サイドミラーだけになる傾向があります。ミラーはとても便利です。自車の位置も分かりやすいし、他車(者)や構築物との間隔も把握しやすいです。

 ですが、見えている範囲が限られていることをつい忘れがちになります。やっぱり直接の目視確認も必要です。

 ドアを開けて確認する方もおられます。これは、手っ取り早く、楽そうですが、絶対にやめていただきたいです。真後ろの間隔は、真後ろの直接目視をするべきですし、分かりにくいときは、降車して確認するぐらいの注意深さが必要です。

 駐車場での事故は、危険要因を見落としたり、発見が遅れたりして事故に至っています。運転経験の有無に関係なくです。今回のドライバーさんの確認方法を見ていると、あらためて正しく確認すること、ミラーと直接の目視確認を繰り返すことの大切さを感じました。

(高林一夫)

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