ある事業所で、営業マンが中学生の自転車と軽い接触事故を起こして帰ってきました。
管理者 「あそこの道路は、夕方になると学校帰りの中学生の自転車で一杯になるんだよ。どうして、そんな所を走っていたんだい」
運転者 「あの道路は、昼間によく通っているんですが、交通量も少なくて走りやすいんです」
管理者 「それは、昼間の話だろう。君が実際に事故を起こしたのは夕方で、いつも君が通っている時間帯とは違うんだよ」
運転者 「そうですけど‥‥」
管理者 「君の返事を聞いていると、時間帯によって交通状況が変わるということを、まったく意識していないよな」
運転者 「どういうことですか?」
管理者 「君が起こした事故が、まさにその典型なんだよ」
運転者 「エッ?」
管理者「昼間は何の危険もないように感じられた道路が、夕方になると危険な道路に変わっているということだよ」
運転者 「そう言われてみると、今日は何でこんなに自転車がいるんだろうと思って運転していました」
管理者 「そうだろ。そういうときに、昼間と同じような感覚で運転していては、君のように事故を起こすことになるんだよ」
運転者 「はあ」
管理者 「夕方に中学生の自転車で一杯になるということは、朝の登校時間も自転車で一杯になると思うよ。だから、朝の登校時間帯にあそこの道路を走行するときも注意しなければならないということだよ」
運転者 「すみません。時間帯によって交通状況が変わるということは、あまり意識していませんでした」
管理者 「他にも、朝の出勤時間に駅に急ぐ人があふれる駅付近の道路や、工場に入るために大型トラックが時間待ちをしている道路など、時間帯によって危険が変わる道路はいろいろとあるよな。そういう道路では、走行している時間帯を考えて慎重な運転をしてくれよ」
運転者 「はい、わかりました」