こんにちは、平野です。前回に引き続きスイスチーズモデルについて書かせて頂きます。
今回は、2枚目の仕事上のチーズ(急ぎ、場所不明、ストレス、心労)についてです。
私達は、仕事上での段取りに不慣れであったり、想定外の出来ごとが起こったりしたときに、感情が乱れ、冷静さを失いがちとなるのではないでしょうか?
たとえば、急ぎの感情は、遅れを取り戻そうと考えた時点で発生します。一旦この感情が強くなると、注意のエネルギーは、遅れを取り戻すことに集中するため、危険を探すことが疎かとなり、いつもなら気付くことのできる危険を、簡単に見落とす可能性が高くなります。
ですから、遅れを取り戻そうと考えるより、到着が遅れると考えることです。事前に訪問先へ連絡するなどして対策を打ち、冷静になることが賢明ではないでしょうか?
あるベテランの安全運転管理者の方のお言葉です。
無断の遅刻は、例え2~3分であっても相手を不愉快にしてしまうが、事前に連絡をしておけば大目に見て頂ける、同じ遅刻でも、受け取られ方が大きく変わってくるものだと。
その他、冷静さを取り戻す方法として、”落ち着け”と、声を出して自分に言い聞かせる方法もあります。大事なことをする前や、絶対に失敗したくない大事な試験などでは、覚えた内容やするべきことを声に出して、安心することと同じです。
慣れない場所や目的地を探しているときにも注意が必要です。場所や目的地のことが気になってしまい、前方の危険の見落としや、発見が遅れため事故となるケースもよく起きています。
私達は、同時に二つのことに注意を向けることはできません。目的地や場所を探すと、前方の危険を見落としがちとなります。この点をよく自覚する必要があります。危険を探すべきか、場所・目的地を探すべきかを選択しながら、情報収集をしましょう。
運転は、出発前の経路を把握する段階から、始まるという認識が大切です。
(平野 勝寛)