あたり前のことをする難しさ

 こんにちは、高林です。

 

 SSD研究所には、企業における事故情報が多く入ってきます。研修を効果的に実施するためや、社内での安全指導のお手伝いのために、それらの情報を頂戴し、事故分析を行っています。


 事故情報から直接原因や間接原因を見ていくと、特徴的なものはいろいろあります。その中で、事故の背景にあったものとして、”ながら運転”が目立ってあります。

 

 たとえば、「仕事の考え事をしながら」とか、「ナビをみながら」とかがよく上がっています。「ながら運転」だと、目配りが少なくなり、これが事故の原因となっています。


 話は変わりますが、街を走る自転車では、携帯電話をしながら乗っている人が目立ってきたような気がします。また、駅のホームやオフィス街でも、携帯電話を操作しながら、歩いている人をよく見かけます。

 

 先日は、夜にウォーキングしているときに、高校生らしい人が、月を携帯電話で写真を撮りながら自転車に乗っていました。

 

 前からは車が接近しているのに、お構いなしです。車のドライバーが危険と感じ停止して対応していました。

 

 写真を撮りながらの運転は、極端な場面ですが、ドライバーであっても、歩行者や自転車であっても「ながら運転」はとても危険な行為です。

 

 人は、二つのことを同時にはできません。これはあたり前で皆さんがご存じのはずです。やってはいけなことをことも理解されています。

 

 ところが、これを止められないことに交通安全の難しさがあります。わかっていること、あたり前のことを、どう実行してもらえるかを日々頭を悩ましています。
 

(高林一夫)
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