こんにちは、野村です。
「たまたま事故になってしまった」と自分が起こした事故について説明をする方がいます。相手が急な行動をとったからだと。
先日、事故再発防止研修を受講された方もそうでした。相手が急にブレーキを強く踏んだから追突をしてしまったと言うのです。
確かに、目的地に急に気づいたのか、直線道路で突然強いブレーキをかけて停止しようとする車もいるものです。しかし、この方の起こした事故は、信号のある交差点での追突事故です。
交差点やその付近では、前車が強い減速をしたり、黄色信号になった場合に急停止したりすることは当然ありえます。
この方は、前車は急停止するはずがない、という考えでこれまで運転を続けてきたのです。そして、たまたま急停止する前車と出会わなかったのです。今までたまたま事故にならなかっただけだ、そう考えて欲しいと説明をしました。
元楽天監督の野村克也さんが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉をよく使われています。偶然や運によって勝つことはある、しかし敗者には負けるだけの原因があるという意味です。
安全運転をしていなくても事故にならないケースはあります。というか不思議と多いものです。無事故に不思議の無事故ありです。(もちろん、だから安全運転の必要がないということでは決してありません。)
事故に不思議の事故なし、原因があったと考えることです。たまたま事故になったと、原因に目を向けないでいると事故を繰り返すこととなります。
無事故のために、自分の運転で欠けていたことは何か、と考えることが大切だと思います。
(野村幸一)