前後左右6台の車を意識して運転しよう

ある事業所で、急ブレーキを踏んだ前車に追突した運転者が帰ってきました。

 

管理者 「走行中の車に追突したって、どういうこと?」

 

運転者 「ブレーキを踏むところじゃないのに、前の車が急にブレーキを踏んだんです」

 

管理者 「何もないのに、ブレーキを踏まないだろう?」

 

運転者 「そういえば、相手のドライバーは、前の車が右のウインカーを出したから、あわててブレーキを踏んだと言っていました」

 

管理者 「君は、安全運転をするには『前後左右6台の車を意識して運転する』という言葉があるのを知ってるか?」

 

運転者 「いや、知らないです。どういう意味ですか?」

 

管理者 「運転するときは、前方だけに気をとられがちになるが、できるだけ周囲の状況にも注意を払って運転することが大切だという意味だよ」

 

運転者 「前だけ見てたら問題ないと思いますけど…」

 

管理者 「運転するときは、前方だけに気をとられがちになるが、できるだけ周囲の状況にも注意を払って運転することが大切なんだよ…」

 

運転者 「どういうことですか?」

 

管理者 「今回の事故で考えてみようか。前車の前の車が右にウインカーを出せば、前車は当然ブレーキを踏んで減速するよな。それがわかっていれば、君もそれに対する心構えができて、追突することはなかったと思わないか?」

 

運転者 「そうですね…」

 

管理者 「後ろも同じことだよ。すぐ後ろの車と、その後ろの車2台の動きを意識することが必要だ。後ろから車間距離を詰めてきたり、追い越そうとしている車がいないかを常に意識しておくんだよ」

 

運転者 「はい」

 

管理者 「これで4台。後は右と左の車だが、何に気をつけたらよいと思う?」

 

運転者 「あ、それわかりますよ。車線変更をしてきたり、割り込んでこないか、などですね」

 

管理者 「そうだな。わかってるじゃないか」

 

運転者 「はあ、あまり意識して運転したことがなかったですね」

 

管理者 「自分の車だけでなく、前後左右にいる計6台の車を意識して運転していれば、急な事態にも対処できて、安全運転につながっていくということだ」

 

運転者 「そうですね」

 

管理者 「これから運転するときは、常にそういう心構えを持って運転してくれよ」

 

運転者 「はい、わかりました」

 

 運転するときは、ややもすると前の車だけを意識しがちになりますが、できるだけ前後左右6台の車を意識して運転しましょう。
 そうすれば、急な事態に出会ってもあわてずに対処でき、事故に遭わずに済みますよ。