ある事業所で、団地内の道路を猛スピードで走行している車がおり、「危ないじゃないか」という苦情がありました。その時間に走行していた車を調査してみると、今年入社した社員が運転していたことが判明しました。
管理者 「狭い団地内の道路でスピードが出していたら、危なくてお年寄りが安心して歩けないじゃないか、という苦情が来ているんだけど?」
運転者 「そうですか。自分としてはそんなにスピードを出しているつもりはなかったのですけど」
管理者 「どのくらいのスピードで走行していたのかな?」
運転者 「40キロを少し超えていたくらいだと思いますけど」
管理者 「40キロを超えていた?それはちょっと出し過ぎだよ」
運転者 「自分では、そんなスピードを出しているつもりはなかったのですが…」
管理者 「団地内の道路は、そこに住んでいる人の『生活の場』でもあるんだよ。そこをそんなスピードを出していたら、『危ない』と苦情がくるのは当たり前だよ」
運転者 「そうなんですか…」
管理者 「そうだよ。君は団地内の道路は人々が生活の場でもあるという意識が欠けているんじゃないか」
運転者 「そんなことはないと思いますけど」
管理者 「最近、生活道路でお年寄りや子どもが犠牲になる事故が続いていて、生活道路でいかにスピードを落とさせるかが問題になっているんだよ」
運転者 「はあ…」
管理者 「ところで『ゾーン30』って、聞いたことがあるかな」
運転者 「いや、初めて聞きました」
管理者 「これは、地域の人が日常生活に利用するエリアを、最高時速を30キロに規制するというものだが、見たことはあるかな」
運転者 「いや、見たことないですね」
管理者 「最近、学校周辺を「ゾーン30」に設定している地域もあるが、まだ十分ではないからな」
運転者 「『ゾーン30』のエリアでは、時速30キロ以上出してはいけないんですよね」
管理者 「そう、でも『ゾーン30』に設定されている、いないにかかわらず、地域の人が日常生活に利用している道路を走行するときには、スピードを落とさなければならないのは当然のことだよ」
運転者 「そうですね」
管理者 「そこで提案なのだが、団地内などの生活道路を走行するときには、自分の心の中に『ゾーン30』を設定してくれないか」
運転者 「心の中に『ゾーン30』ですか」
管理者 「そう、生活道路を走行するときはいつでも、ここは『ゾーン30』なんだと思って運転するということだよ。そうすれば、そんなにスピードも出すことはないと思うよ」
運転者 「はい、わかりました」
地域の人が日常生活に利用する生活道路などでは、通らせてもらっているという気持ちを持って、自分の心の中に「ゾーン30」を設定しましょう。そうすれば、スピードを落とした運転をすることができますよ。