こんにちは、野村です。
危ない!小走りで通路の角を曲がるとそこに人が。ビックリして足を止めました。今回はそんな話です。
ぶつかりそうになったのは、長身の男性でした。「スイマセン」と謝って顔を上げると、そこにいたのは俳優の阿部寛さん。ここで、もう一度ビックり。
それは、芝居の劇場通路でのことです。わたしは観客、阿部さんはその芝居の主役です。もう少しで、観客が主役にケガをさせるところでした。
芝居は、つかこうへいさんの代表作の「熱海殺人事件」。今、映画の「テルマエロマエ」や「トリック」で活躍されている阿部さんが、モデルから俳優に本格的に変わるきっかけとなった作品です。
「熱海殺人事件」は、心を揺さぶるシーンが随所にあります。その中でも、もっとも感動的なものが、警部役の阿部さんが犯人を薔薇の花束で打つ、というクライマックスのシーンです。
わたしは、このシーンをとても楽しみにして劇場へ足を運びました。ところがその日、お腹の調子がよくありませんでした。
グルグルとお腹が鳴ります。芝居に集中できず、とうとうエンディングが近づいていたのですが、席を立ちトイレに向かうことになってしまいました。(次回に続きます)
(野村幸一)