出合頭事故 曲り角でビックリ-2

 こんにちは、野村です。前回の続きです

 

 見どころのクライマックス、エンディング間際に、お腹が痛くなりました。

 

 頭をかがめて通路を通り、後ろの扉を開けロビーへ出て、急いでトイレに向かって走りました。そのときに、阿部さんとぶつかりそうになったのです。

 

 阿部さん、感情を高めてエンディングに向けてテンションを上げ、後方扉からスポットを浴びて客席に飛び出そうとしていた、まさにそのとき、自分より先に観客が飛び出してきたのです。

 

 阿部さんの驚きと戸惑いと恥ずかしさの混じり合った顔を覚えています。わたしは、スイマセンと、声を掛けて脇を通りました。ビックリさせてしまいました。せっかくの役作りを台無しにしたかもしれません。

 

 出合頭事故というのは、このようなものではないでしょうか。今まで人が出てきたことのない場所から飛び出してきます。でも出てくるかどうかなんて分かりません。相手のことはコントロールできません。

 

 阿部さんが素晴らしい演技で観客を感動させることはできても、クライマックスで席を離れて飛び出してくる、とぼけた人の行動までは止められません。

 

 事故を起こすと全てが台無しです。曲がり角ではビックリすることがあります。見通しの悪い交差点では飛び出しがあり得ると考えましょう。とにかく、あのときは役作りの邪魔をしたものだと反省しています。                                                                           

 (野村幸一)

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