こんにちは、野村です。
京都国立博物館へ鳥獣人物戯画を観に行ってきました。
日本画の最高傑作のひとつといわれるこの絵、130年振りの修復が行われ美しさを取り戻しました。
ウサギが笑いながらダイビングのように鼻をつまんで後ろ向きに川へ飛び込んだり、猿や蛙が相撲をとったり矢をはなったり、とても楽しそうです。
ユーモラスで楽しさが伝わってくるこの絵、誰が、何のために、誰のために描いたのかが分かっていませんでした。しかし、今回の修復で色々な事実が分かり、推測されることがでてきました。
それは、絵仏師が自分たちが楽しむために、自分たちのために描いたのであろうということです。
普段は、最高の紙と画材を使い、失敗をしてはいけないと細心の注意を払い、注文主の要望へ答えている絵仏師。しかし、この絵はその抑圧から離れて描いたからこそ、勢いや伸びやかさが感じられるのでしょう。
話が変わって交通です。道路場面では、自分のことだけを考えるのでなく、もっといえば周りのことを中心に考えて行動しなければなりません。
例えば、急いでいても道が空いていても、決められた速度を越えてはいけません。交通量の多い場所では、不意な動きをする他者のことに気を配らないと。また、CO2の排出のことまで意識しないと。等々。
つまり、自分の行動が他者や環境にどう影響を及ぼすかを考えなければなりません。社会との関係性を考えるのが知性だと何かの本に書いていましたが、まさに交通の場ではそれ(他者への配慮)が求められます。
絵仏師は自分の楽しみのためだけに鳥獣人物戯画を描いたのですが、運転は社会的な側面を持つ、ということだからですね。
(野村幸一)