こんにちは、野村です。
ある企業様で事故を起こした方への研修を行いました。
参加者の方々が、自分の起こした事故を発表し、全員でその原因や対策を立てるという形式の研修です。
その中に、一時停止場所で優先道路を進行してきた車と出会い頭事故を起こした方がいました。
おとなしそうで、控えめな方です。ただ、自分の起こした事故についての説明では、相手のスピードが速かった、自分の車に気付いていたはず、止まってくれればよかったのに等と言います。
事故の原因を、他車や道路状況など、自分以外のことにして、延々と言い訳を繰り返します。ずっと聞いていた本社の担当者様がついに業を煮やし「自分の側に事故に至った原因はないの?」と問いかけました。
すると驚いたことに、この受講者はプイと横を向き返事をしません。30代のいい大人、有名企業の営業マンがです。スネた態度は、まるで子供のようでした。
謙虚さの欠片もありません。謙虚とは、単にヘリくだったり控えめであったりすることではありません。自分の意見にとらわれず、他人の意見に耳を傾けることです。素直に聞き入れる努力をしないのは傲慢です。
スネた横顔を今も覚えています。このとき、甘えに辛抱強く付き合うのがよかったのか、ある程度のやり取りのあとは厳しい指摘をするのがよかったのか、今だに判断に迷うところです。
人の話に耳を傾けない方への研修は、簡単なことではありません。我々が超えていかなければならないことも多くあります。
(野村幸一)