年末の一杯にて

 こんにちは、野村です。

 

 会社帰りの駅のバス停で、中学校の同級生に偶然会いました。

 

 一杯だけ寄らないかと誘われ、赤ノレンをくぐりました。

 

 店へ入ると早速「ホンマ久しぶりやな。調子はどうや。」と大きな声で聞いてきます。

 

 元気な彼は営業職です。話好きで饒舌です。生ビールを飲みながら、色々なことを話し続けます。

 

 でも「ところで、お前幾つになった?」という質問には驚きました。「なにボケたことゆうてるねん。同じ年に決まってるやろ。」と答えると、「そらそうやな。」アハハと、ご陽気に笑います。

 

 そんな明るい彼が、少し淋しそうにこう言いました。「仕事あんまり上手くいってないねん。」と。営業成績が芳しくないとのことです。

 

 話をよく聞いてみると、行きやすいお客様のところへは足繁く通うのですが、苦手だったり難しいお客様のところへは、訪問しないどころが電話連絡もあまりしないとのこと。また、苦手な仕事や嫌な仕事は先送りするらしいのです。

 

 「お前なあ。気持ちは分かるけど、それは典型的な仕事ができない営業マンのやり方やで。」と、ワタシは偉そうに注意をしました。

 

 でも、彼の良いところは、自分が出来ていないと認識をしていることです。また、その理由も分かっていることです。しかし、それを治す努力をしていないことが厳しくいうと問題でしょうか。

 

 事故の再発防止も同じだと思います。自分の運転が危険だと認識すること、どの点が悪いかを分かること、治す努力を継続することの3つです。

 

 やり方を変えた方がいいよと、彼に感じたことを正直に伝えました。仕事も運転も同じだなと思いながら、「お互い頑張ろうな。」と言って、年末の一杯を終えました。

 

                                           (野村幸一)

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