急がば回れ

 こんにちは、野村です。

 

 寒いですね。この季節は帰宅して、熱い風呂に入るとホッとします。 

 

 寒いといえば、ワタシは学生時代を京都で過ごしました。 京都の冬は、底冷えがしてとても寒いものです。

 

 そんな寒いある夜、ボーリングに行かないかと友人が誘いに来ました。

 

 ボーリング場は下宿と鴨川をはさんだ対岸にあります。ただ、直線距離では近いのですが、かかっている橋は下流の少し離れたところにあります。

 

 面倒くさがりのワタシは、水量の減っている鴨川を渡ろうと、友人に提案しました。その方が早いし近いしと。ちょっと迷った友人も、冬空の川沿いを長く歩くのが嫌だったのか、その案にのっかってきました。

 

 下宿を出て鴨川へ着くと、護岸を降り靴を脱ぎ、紐を結んで首に掛け、靴下をポケットに入れ、ズボンの裾を膝までめくりました。

 

 川へ足を入れました。冷たい!でも、いけないこともなさそうだ。そう思い、小石に足を滑らさないように注意しながら、そろりそろりと進みました。

 

 徐々に足首から膝近くまで水につかってきました。冷たさがしみます。ゆっくりと歩いているので時間は結構経ってきました。

 

 とうとう冷たさに足が痺れてきました。渡るのをやめようかと振り返ると川の真ん中まできています。もう戻ることもできません。

 

 冷たい風が川面を撫でます。見上げると澄んだ空に星が瞬いていました。

 

 しかたなく歩き何とか渡りきることができました。今でもあの景色や体感をよく覚えています。友人からはお前が余計なことを言うからだとボヤかれましたが・・・。

 

 近道をしようとしたり、無理をするとよけいに時間がかかったり、危険になったりします。特に、冬道では無理は禁物です。急がば回れ、無理に進もうとしないことですね。

                                           (野村幸一)

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