こんにちは、平野です。
今回は「分かる」から「できる」トレーニングについて書かせて頂きます。
先日、事故再発防止研修を実施させて頂きました。研修の目的は、起こされた事故の再発防止です。
内容は、受講者の方と事故に至るまでの経過を振り返り、事故の要因と原因を再確認しながら、再発防止の方法を習得して頂きます。
事故を起こされた方は、当然ですが運転免許証をお持ちです。交通法令も知っておられます。加えて、事故を起こさないための運転方法も概ね理解をされています。
しかし、事故を起こされてしまいました。「知っている」「分かっている」ことがおこなえていないのです。ですから、何故できなかったのかを明らかにし、その上で対策を決定して頂くことが必要です。
つまり、事故を起こさないための方法を知識と知っていても、実践できるという考え方は間違いであるということです。
交通法令や事故を起こしにくい運転方法の説明だけでは、再発防止にはつながりにくいのです。何故実践しなかったのかということについて掘り下げ、その上で簡単で有効な対策を見つけ出し、継続して実践して頂く方法を提案し、納得して頂く必要があります。
事故の振り返りや再発防止についての意見交換を通じて、ご自身から現状の運転方法についての問題点や不足点に気付かれた方は、このままではまた事故を起こすかも知れないと考え、何とかしなければという危機意識が芽生えます。
そして、再発防止の行動目標を自己決定されます。また有効な再発防止を設定するには、交通法規や事故を起こさないための知識が多ければ多い程有利です。
しかし、事故を起こすかも知れないという危機意識がなければ、既知の知識を活かすことができません。
弊社の事故再発防止研修は、単なる交通法令を再確認して頂いたり、交通法令に従った運転操作をトレーニングすのでさせて頂くのではなく、事故防止の必要性を納得し、日々、取り組める方法を自己決定した頂くことをお手伝いさせて頂いております。
誰もが知っている事故防止の方法をご存じです。そのため、事故となった場合は、その原因を、自分以外にあると考えてしまいがちとなり、形を変えて事故を繰り返してしまう可能性があります。知っているから、できているという落とし穴があると考えます。
つまり、この先で事故となるかも知れないと考えたり、本当にこのままでいいのかという危機意識を先行させることで、事故防止ができると考えます。
(平野 勝寛)