分からないと書く誠実さ

 こんにちは、野村です。


 「断片的なものの社会学」という本を読みました。

 

 帯広告に書かれた「この本は何も教えてはくれない。ただ深く豊かに惑うだけだ。そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。」に惹かれて購入しました。

 

 久しぶりに一気に読みました。押しつけがましくなく、静かでとてもいい本でした。

 

 ちょうど翌週末の新聞の書評。「分からないと書く誠実さ」のタイトルで、次のようにこの本が紹介されていました。

 

 

 近代の合理主義と個人主義は矛盾が露わになりつつある。楽に社会を把握したがる反面、自分をきちんと理解されたがる。自分の体験は唯一無二であれと思う。
 この本の中に「私はこの石が好き」は非暴力的な自由だが「この石を持つ者は幸せだ」と一般化すると持つものと持たぬものとの区別を生むと書かれている。
「世界に1人だけの自分」の無根拠な肯定のかわりに、ただ「分からない」と悩む。それがこの本の美しさであり誠実さだ。

 

 

 自分が見たもの体験したことを絶対視するのは危険です。この態度は日常生活でも運転でも、内向きで視野を狭めたものに変えていくと思うのです。そして間違いや失敗を起こしやすい気がします。


 知っていることなど一つの欠片にすぎない、たいして分かっていない分からないという誠実な態度を持つことが必要ではないでしょうか。大丈夫だろう間違いないなどと考えず、謙虚であることが大切だと思います。

 

                                           (野村幸一)

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