こんにちは、野村です。
弊社の運転適性テストでは、自己中心性と自己顕示性についての診断項目があります。
自己中心性が強いとは「自分勝手、自己主張が強い、頑固」、自己顕示性が強いとは「自分をよく(大きく)見せようとしがち」と、そのようなことはすぐ分かります。
でもそれ以上のことは、と聞かれると説明がチョット難しいですね。
それらについて「暇と退屈の倫理学(國分功一郎氏著)」の中に、ルソーの書いたこととして、分かりやすい表現がありました。
それは「自己愛」と「利己愛」という概念です。(自己愛は自己中心性、利己愛は自己顕示性と近いとの理解でいいと思います。)
次のように書かれていました。
自己愛は、自分を守ろうとする気持ちで自己保存への衝動である。それに対し利己愛とは、他人と自分との比較にもとづいて、自己を他人より高い位置に置こうとする感情である。
他人より優位に立ちたいと、劣位にある自分を憎み、優位にある他者をうらやむ、そうした感情である。自己愛において現れるのは自分だけであり、利己愛は他者との関係でしか存在しない。と。
自己中心性と自己顕示性、ともに交通安全においては、あまり好ましいものではありません。但し、その性格特性がそのまま行動に出るわけではないので、性格特性テストの結果から、短絡的な解釈をすることないように注意が必要です。
(野村幸一)