2017年8月29日(火)に関電プラント株式会社様本社において、計27名様に対する「社内安全運転管理者等研修会」を実施しました。
●研修会実施の背景
関電プラント株式会社様では事故予防の一環として、
- 社内運転資格者に対して「同乗訓練(以下「添乗指導」という。)」を実施する
- 運転者の不安全行動の改善や修正を図る
- 添乗指導を通じて安全風土を高め、事故削減を図る
ことを今後の安全活動として施策しておられます。
それに先立ち、添乗指導方法の理解の向上、再確認を図ることを目的に、以下の内容で実施しました。
- 研修の目的
- 管理職としての役割の理解
- 添乗指導における教育方法
- 質疑応答及びまとめ
日常の安全対策についてヒアリング
初めに「研修の目的」や「管理者としての役割の理解」についてご説明したのち、日常の安全対策について受講者の方々にお伺いしたところ、
- 車両の鍵を渡す際に、体調を聞くなど一声かけをしている
- 積雪地域なので、移動等で雪道に慣れていない方には研修を受けてもらっている
などの予防安全対策を取っておられました。
こちらの企業様には「社有車運転認定制度」があり、一定以上の運転技量をお持ちの方のみ社用車の運転を許可されていたり、乗車前にはKYの実施をするなど、非常に積極的に安全施策を取っておられる印象を受けました。
添乗指導の目的・進め方を具体的に解説
次の添乗指導では、添乗指導の目的・具体的な進め方、チェック方法、ドライブレコーダーの映像を使用したチェック方法の各項目について解説しました。
まず添乗指導の目的としては、
- ドライバーの運転状況の把握
- 『安全運転をしよう』という動機付けを図る
- 具体的な安全運転の定着化を図る
の3つを挙げ、具体的な運転指導よりもまずは、指導者が安全について真剣に考えていることを伝える方が、ドライバーの安全運転意識を高めることを強く訴えました。
次に、添乗指導の進め方については、
- 添乗指導を行う前にドライバーに目的を説明すること
- 運転状況の観察→指導の手順で進めること
- 走行コースは、広い道、狭い道、交差点の右左折や駐車場等の要件を満たすこと
- 走行時間は30分程度
など、具体的な方法について解説しました。
チェック方法については、関電プラント株式会社様の車両運転技能確認シートや、弊社がご提供したチェック表の解説をしました。特に基準があいまいとなりがちな車間距離の保ち方や、狭い場所での速度調節については具体的な例を挙げ、詳しく解説をしました。
ドラレコの映像を用いた添乗指導演習
最後に添乗指導の演習として、弊社で録画したドライブレコーダーの映像を用いて、それぞれの運転場面で安全上どのような点に着目するかについて、意見交換をしました。
指導者が道路状況を見てただ教えるのではなく、運転者が自分でどの程度の範囲を確認できているのかをチェックすることが添乗指導においては重要であることを説明しました。
研修終了後にご記入いただいた研修振り返りシートでは、
- 後退時の観察、指導ポイントがよくわかった
- 添乗指導の重要性がよくわかった
- 指導者として安全風土育成の重要さを再確認した
- 内容が具体的で良かった
などの意見があり、理解度の向上は図れたと考えます。
関電プラント株式会社様では社内ルールとして、行動する前に周囲確認する「ワンストップ確認」という運動を10数年前から実施されており、安全を重要視する風土は十分に形成されています。
増加傾向にある自損事故についても「ワンストップ確認」を徹底することで、うっかりミスなどによる事故が減少することも併せてお伝えしました。
研修中は熱心にメモを取られる方が多く、真剣に受講しておられる態度が見受けられました。
今回の研修を経て、添乗指導の実施や「ワンストップ確認運動」による運転をさらに周知徹底していただくことで、関電プラント株式会社様の事故が減少し、安全風土のさらなる熟成が図れると考えます。
【関電プラント株式会社様 研修データ】
実施日時 2017年8月29日(金) 15:00~16:00
実施場所 本社様施設
受講人数 27名様