ある事業所で、営業周りをしていた社員が小学校近くの路上で下校中の児童と接触する事故を起こしました。管理者に事故の状況を報告しています。
運転者「すみません。○○小学校近くの道路を走行していたときに、車道にフラフラと出てきた子どもと接触してしまいました」
管理者「○○小学校の近くの道路って、なぜそんな所を走っていたの?」
運転者「いや、新しい営業先に行こうとしてカーナビが示したルートを走行していたんです」
管理者「そのルートが小学校の近くの道路だったということか?」
運転者「そうですね」
管理者「事故を起こした時刻をみると、小学生の下校時間と重なっているよな。歩道上に児童が溢れていただろう?」
運転者「そうですね。結構歩いていましたね」
管理者「ちょっと危ないかなと思わなかったの?」
運転者「思ってましたよ」
管理者「だったら、なぜその道路を走り続けていたんだい」
運転者「カーナビのルートだったし。でも、あのタイミングで子どもがふらついて出てこられたら、誰でも避けられないですよ」
管理者「ここで考えて貰いたいのは、そこなんだよ」
運転者「どういうことですか?」
管理者「下校している児童が歩道にあふれている小学校付近の道路を、なぜ走行していたのかということなんだ」
運転者「それは最初に説明したように、カーナビのルート検索で出てきた道路だったからです」
管理者「ルート検索で出てきた道路を走行していたことが悪いと言っているんじゃないんだよ」
運転者「では、どこが問題なのですか?」
管理者「ルート検索が示した道路でも、そこが安全な道路かどうかは自分で判断しなければいけないと言っているんだよ」
運転者「はあ…」
管理者「君が走行していた道路は、下校中の児童が歩道にたくさんいてとても危険な道路だったんだろ」
運転者「そうなんですけど……」
管理者「そんな道路を、カーナビが示した道路だからと走り続けたことが問題だし、今回の事故の遠因になっているとも言えるんじゃないか」
運転者「はあ…」
管理者「カーナビは、狭くて走りにくい道路を案内することもあるし、どのような危険があるかまで判断してくれない。だから安全かどうかは自分で判断しなければいけないということだよ」
運転者「そうですね」
管理者「カーナビが示した道路でも危険を感じたら、経路を外れることだ。いつまでもこだわって走っていると、今回のような事故に遭うことになるよ」
運転者「はい、わかりました」