こんにちは、高林です。
少し前に新聞やテレビなどで報道されていましたが、学校における交通安全教室で、スタントマンが事故に巻き込まれたことがありました。
ある中学校のグラウンドを使用し、歩行者が道路の横断中に車にはねられる事故を再現していたようです。その際、出演していたスタントマンが車に巻き込まれてしまいました。
とても痛ましいですが、スタントマンは身体を強く打ち、数時間後に死亡されました。その教室には、全校生徒の約470人が参加していたようです。
参加者が事故に遭わないようにするため、可能な限りリアリティーをもって演じていたと思います。特に演じる側は、事故を再現し、十分に理解し注意を深めてもらえたらという想いでもあったとも考えます。
SSD研究所も研修や座学を受けられる方が事故を起こしてほしくないという強い想いで実施をしています。ですから、以前の内容でも、事故には至りませんでしたが、理解を深めてほしいということで危険なことをしたことがあります。
たとえば、見通しの悪い場所において自転車でわざと飛び出したり、バックしようとする車の死角に入ってみたりしたことがありました。
これは20数年前の研修での内容でしたが、今思えば本当に危険なことをしていたと思います。今はそんなことをしないで、研修参加者にはアドバイスできるようになっていますが。
事故の内容に研修参加者への説明では、インパクトを与えることと、理解を深めて行動を変えてもらうことは少し違うものだと考えます。
座学でも事故の怖さを理解してもらうため大きな事故で悲惨なものをという要望を聞くときがあります。ですが、悲惨さで訴えても現実味が乏しくなり、聞いている側も自分の周りではそんなことは起きないと感じることがあるからです。
ただ、リアリティーをもつことも手段の一つと考えますが、もっと簡単でかつ分かりやすい内容でできないかを考えています。当然ですが、それにより事故防止になればと考えています。
(高林一夫)