企業研修担当インストラクター養成講習を実施(2020.11)

 SSD研究所では、2020年11月24日(火)と25日(水)の2日間にわたり、「企業研修担当インストラクター養成講習」を実施しました。

 

 今回は、岩出自動車学院より2名の方が参加されました。当学院様からは、この講習会のご依頼が2回目となります。

 

 インストラクターの企業研修における指導技術や知識の蓄積と向上を図ることを目的に実施しました。

 

 今回受講される方々は教習業務の経験は豊富です。但し企業研修業務へたずさわり始めた直後です。そのため、講習内容は、通常の運転免許証を取得するための技能教習(以下、技能教習と表記します)から見た企業研修のあるべき姿や考え方、企業側が求める研修の内容や態度・考え方等を中心に展開しました。

 

 また、従来の養成講習よりも座学と演習の連動性を高めました。加えて、事実を基にした思考(科学的な態度)、思い込みの排除を訴え、新たな視点の獲得を促しました。

■企業研修担当インストラクター養成講習について
 
 業務で社有車を使用する企業様にとって、事故抑止は企業活動を継続・推進する上で重要な課題となっています。このような状況の中、自動車学校は事故抑止の教育機関として脚光を浴び始めています。
 
 自動車学校が持つ施設や実車によるトレーニング等の安全研修は、本来業務である運転免許証取得のお手伝いだけでなく、社会の要請や企業ニーズに対応できる教育機関としての側面を拡大させる機会と言えます。企業から事故抑止教育のプロとしての信頼を得ることで、継続した研修のご依頼をいただくことが可能となります。
 
 実際に、多くの企業様より研修内容や実施可能な自動車学校等についてのお問い合わせをいただくことも増加しております。
 
■企業研修担当インストラクター養成講習とは
 
 本講習は、企業様への安全運転研修を担当するインストラクターの方を対象としています。
 
  通常の運転免許証を取得するための技能教習に加え、新たに企業研修の実施や、更なる企業ニーズに対応した安全教育への取組みの推進を模索されている自動車学校様のお手伝いさせていただくために実施しております。
 
  また、本講習は少人数で行いますので、講習内容を深く理解していただくことができます。加えて、意見交換や質疑応答も行いますので、受講後に自動車学校の同僚や、後輩、先輩のインストラクター、他のスタッフの方皆さんで一丸となって体制づくりに取り組むために、何が必要なのかを理解し、身につけていただくことが可能です。
  講習の狙いは、企業研修を実施するにあたって、継続的な利用をいただくための知識、考え方、指導上のスキルアップを図ることです。
 
  座学と実技を組み合わせ、「企業研修の本質理解」「企業研修の基礎知識」「対象者別の指導ポイント」「研修の模擬体験」「実技チェックとアドバイス方法」などを理解していただくことを目的としています。
 
■企業研修担当インストラクター養成講習の内容  
 
  弊社の「企業研修インストラクター養成講習」には、大きく分けて2つのポイントがあります。
  ひとつは、座学により企業研修の全体像と企業側から見た望ましい研修実施の心構えや考え方、技能教習と企業研修の違いをご理解いただくことです。
 
  もうひとつは、演習による企業研修の体験です。適性テストや実技チェック、アドバイスなど、受講者とインストラクターの両方の立場から体験していただきます。
 
そうすることで、留意点を直接感じることができ、効果的な研修の進め方を理解できます。  
 
  しかし、これらの知識だけでは、効果的な研修を行うことはできません。自らの視点を増やし、状況を広く理解し行動する態度が必要です。そのため、インストラクター自身が成長していこうとする姿勢の必要性を講習の中で繰り返し伝えています。

受講者インタビュー

T.Yさん
T.Yさん

講習を受講された2人の方にインタビューをさせていただきました。

 

T.Yさん

Q.印象に残ったのはどのようなことですか?

A.死亡事故の何百倍も物損事故が発生しているということです。企業様の求めていることがよく分かりました。

 

Q.気づいたのはどのようなことですか?

A.思い込みに注意することです。事実を知ってから決めないといけないことに気づきました。

 

Q.理解が深まったのはどのようなことですか?

A.企業研修は事故を減らすことを目的にしているということがはっきりと分かりました。今まではその目的への焦点が不足していました。たとえば、巻き込み確認、左右確認などに力を注ぎ、教習との違いをつけていませんでした。車庫入れについても、入庫ができればいいと思っていました。それでは不十分で確認回数や、特に速度が大切だということが理解できました。

 

Q.今後の努力目標をお聞かせ下さい。

自分の着原点で物を見ないということです。事実を謙虚に見て、そこから考えることを心がけます。また、受講者への問いかけの必要性が分かったのでこれを実行します。

 

M.Hさん
M.Hさん

M.Hさん

Q.印象に残ったのはどのようなことですか?

A.たくさんありますが、特に印象に残った点は確認です。教習生の方を対象としている場合、見ているか見ていないかだけでした。これでは不十分だったと思いました。回数や確認範囲など、本当に危ないと思って見ているかをまでを観察しないといけないと思いました。

 

Q.気づいたのはどのようなことですか?

A.たとえば対向車との行き違い時のことなどです。もちろん減速することははっきりと伝えていました。しかし、「速度をもっと落としましょう。」「分かりました。」で終えていました。ちゃんと伝えていなかったことに気づきました。

 

Q.理解が深まったのはどのようなことですか?

A.確認の観察やトレーニングとして、コメンタリードライビングが分かりやすく、受講される方へ理解がしてもらえやすいと思います。

講習で行った、ポール等を使用して、どれくらいの速度なのかを説明すれば、より分かっていただけると思います。また、ポールについては、狭い場所での車の動かし方についての目配りにも納得していただきやすいと感じました。これらはすぐに取り入れたいと思います。

 

Q.今後の努力目標をお聞かせ下さい。

A.ご受講に来られた方はもちろん、企業様にも信頼していただける研修を行います。もう一度利用したいと思ってもらえる自動車学校、または、わたくしに任せようと思ってもらえるプロになります。

 

 ――ありがとうございました。今後の皆様のご活躍をお祈り致します。

【企業研修インストラクター養成講習 データ】

〈日時〉

 令和2年11月24日(火)~25日(水)

〈場所〉

 大阪地区 SSD研究所提携校自動車学校

〈参加者〉

 岩出自動車学院 教習指導員2名様