ある事業所で、朝出勤してきた社員が上司に、前日酒気帯び運転で検挙されたという報告をしています。
管理者「酒気帯び運転をした?君は昨日○○に出張だっただろう。出張先で違反をしたのか?」
運転者「いえ、こちらに帰ってきてからです」
管理者「帰ってきてからって?どういうことなんだ」
運転者「空港から車で家に帰る途中に、警察の飲酒検問がありまして、呼気検査をしたら基準値を超えていたんです」
管理者「よくわからないな。運転する前に酒を飲んだのか?」
運転者「うーん……」
管理者「どうなんだ」
運転者「実は、出張先の空港で少し時間があったので、軽い食事をした際に中ジョッキー1杯を飲んだんです」
管理者「ビールを飲んだ?」
運転者「すみません。時刻も午後6時近くになっていたし、勤務時間外なので、いいかなと思って」
管理者「でも、こちらに着いてから車に乗ることは分かっていたのに、どうして飲んだんだ」
運転者「飛行機に乗っている時間がありますので、その間に覚めると思っていました」
管理者「飛行機に乗っていた時間はどれくらいだ」
運転者「1時間ちょっとですね」
管理者「それは少し時間が短すぎるな」
運転者「どういうことですか?」
管理者「体内に入ったアルコールは、抜けるまでに結構な時間がかかるんで簡単には抜けないんだ」
運転者「でも、こちらに着いたときにはアルコールが残っている感覚はまったくなかったんですよ」
管理者「そこに落とし穴があるんだよ」
運転者「えっ」
管理者「飲んでから少し時間が経つと、抜けたような感覚になるけれど、実際には体内にアルコールが残っている」
運転者「そうなんですか?」
管理者「中ジョッキー1杯飲んだのなら、体内からアルコールが抜けるまでに計算上は3時間ぐらいかかるんだよ」
運転者「3時間もですか?」
管理者「そう、でもこれは計算上の数値だから個人差もあるし、その日の体調によってはもっとかかることもあるよ」
運転者「そんなにかかるんだったら、検問で数値が出ても不思議ではないですね」
管理者「出張帰りで車に乗るまで時間があるからとビールなどを飲むと、アルコールが抜けておらず酒気帯び運転になることもある。これからは、お酒は我慢して家に帰ってから飲むようにしてくれよ」
運転者「はい、わかりました」
車に乗るまで時間があるしビールなら覚めるだろうと飲む人がいますが、アルコールが抜けるまでは思っている以上の時間がかかります。車に乗る予定がある人は絶対に飲まないようにしてくださいね。