こんにちは、野村です。 前回の続きです。
この「バカの研究」の副題は、”職場で、家庭で、社会で、ネットで、人はなぜバカなことをするのか?「バカ」という謎に迫る。”です。
心理学者を含め学者たちが「バカ」、種々のバイアスについて解説しています。
例えば「ネガティブバイアス」とは、人はネガティブな方へ注意が向きやすく、それが強くなると、他人への偏見や先入観を抱いたり、固定観念を持ったり、差別したりするそうです。
目の前の出来事を、自動的、感覚的にさっと意思決定する「ヒューリステック」で、人はインパクトが強いことが正しいと思い込むそうです。
自分自身のことに関しては楽観的になりすぎる「楽観バイアス」により、自分は他人より運転がうまいとか、大丈夫とか思ったりします。
自分の考えが正しいかどうかを考えるとき、その考えを肯定する情報ばかりを探し、否定する情報はなおざりにする「確証バイアス」、物事が実際に起きてから「そうなると思ったよ。」という「後知恵バイアス」などなど。
つまりバカとは、自分がズレていることに気づかず、自分が正しいと声高に言う人です。
この本はバイアスによる思い込みや決めつけ、視野の狭さ、自分の正しさへの固執、そのバカらしさを指摘しています。安全運転はもとより認知の傾向を自覚し修正するためには役立と思いました。
ただ矛盾していますが筆者たちは一様に言います。
作中に出てくるような人たちは、自分がバイアスをかけていることに決して気づかず認めようとはしない。故に変わることはない。だからそのような人たちには近づかないことだと。(身も蓋もありませんが。)
(野村幸一)