こんにちは、野村です。
昨年の大河ドラマの終盤、北条義時が運慶へ自分に似せた仏像を作れと命じる場面がありました。
しかし稀代の仏師運慶は義時の顔がつまらなくなったと断ります。それに対して義時は、「お前は俗物だ。」と返します。
その言葉に納得したのか運慶は義時の依頼を受けます。しかし彫りあがったのは醜い化け物でした。
怒る義時に運慶は、「お前にうりふたつだ。」と言います。運慶の目には政敵を次々と倒し権力を得た義時がそのように映ったのでしょう。
ある演劇でも俗物の仏師がでてきます。この仏師もとは山賊です。そして王から依頼を受けて出来上がった仏像は下品なものでした。
怒った王から、「お前は俗物だ。」と指摘された仏師は叫びます。「そうさ俺は金に目がないのさ。そして俗物は始めは威勢がいいが、いざとなったら真っ先に逃げるんだい。」
そして、「もっとくれ」「もっとよこせ」と言っていた下品な俗物仏師はその場を後にします。
二つの話は、出来上がったものは作り手や対象物の内面が映し出されると言っているのだと思います。
研鑚するほど出来上がったものは素晴らしいはず、そう考えて今年も業務にあたっていきます。宜しくお願いします。
(野村幸一)