月曜日の朝、出勤してきた従業員が管理者の元を訪ねて、日曜日に飲酒運転をしたという報告をしています。
運転者「あの、ちょっと報告があるのですが……」
管理者「どうした、昨日は休日だったが何か事故でも起こしたのか?」
運転者「いや、事故じゃないんですけど……」
管理者「事故じゃないのなら、違反か?」
運転者「はあ、実は酒気帯び運転をしてしまいまして……」
管理者「なに、飲酒運転? 会社でもあれほど注意するように言っているだろう」
運転者「申し訳ありません」
管理者「詳しい状況を聞かせてくれないか」
運転者「午前中に車に乗って買い物などの用事を済ませて、午後は車に乗る予定がないので、昼ごはんのときにビールを飲んだんです」
管理者「どれくらい飲んだんだ?」
運転者「350ミリ缶を2本です」
管理者「2本か…。それで?」
運転者「昼食後、少し昼寝をしたんですが、夕方5時半ごろに娘から駅まで迎えに来て欲しいという電話がありまして……」
管理者「それで、車で迎えに行ったということか?」
運転者「ええ、飲んでから時間もたっていましたし、昼寝をしてアルコールも抜けていると思いましたし」
管理者「昼食を食べ終えた時刻は、1時頃か?」
運転者「ええ、少し過ぎていたかもしれません」
管理者「だったら、飲み終わってから4時間くらいしかたっていないじゃないか。缶ビール2本飲んでいるんだから、それくらいの時間じゃアルコールは抜けないよ」
運転者「はあ……」
管理者「500ミリのビールを飲んだら、体内からアルコールが抜けるまでに約4時間かかると言われている。君の場合はもっと飲んでいるからアルコールが残っていたとしても不思議ではないよな」
運転者「そうなんですね」
管理者「それから、休日ということで少し気が緩んでいたんじゃないかな」
運転者「気ですか?」
管理者「少ししか飲んでいないから、時間がたっているからとか、日曜日に検問はしてないだろうといった、どこか油断する気持ちがあったんじゃないか?」
運転者「確かに、そうした気持ちがなかったとは言えませんね」
管理者「休日に車を運転しないからと、昼間に酒を飲むことは否定しないが、急に迎えを頼まれたりすることがあると思うんだ」
運転者「そうですね」
管理者「そのとき注意したいのは、休日は飲酒運転に対する意識が甘くなったり、自制心が働きにくいということだ」
運転者「すみません。少し気が緩んでいました」
管理者「これからは、休日でも酒を飲んだら車を運転しようという気持ちを持たないようにしてくれよ」
運転者「はい、わかりました」