こんにちは、野村です。
一方通行の道路を時速16キロでバックし、自転車の男性を死亡させた事故についての判決が、10月27日に神戸地裁でありました。
裁判では死亡させた行為が「危険運転致死罪」にあたるのかが争われ、最大の争点は時速16キロのバックの危険性についてでした。
弁護側は執行猶予が付いた判決を求めていましたが、判決では、「常識外れの行為というべきであり、その危険性の高さを軽く見ることはできない。」と懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。
裁判長は、「バックでしかも一方通行道路を逆走で走行したもので、その意味は前進の場合とはまったく異なり、重大な交通の危険を生じさせる速度にあたる。」としました。
ある刑法の専門家は、「時速16キロというのはかなり遅い速度。この速度が重大な交通の危険を生じさせる速度の具体例として認められたことによって、危険運転致死罪の適用範囲が広がる。」と言います。
また、交通事故が専門の弁護士は、「後退中は安全確認が十分できず咄嗟の操作もしにくい。この事案で(速い速度のバックは)危険運転なんだというインパクトを一般の人に与える影響は大きい。」と言います。
バックは危険性が高い行為です。歩く程度の早さで行いましょう。皆さんの速度はどうでしょうか。可能であれば、同乗者の方にバック速度を見てもらってください。
(野村幸一)